独協医科大病院(栃木県壬生(みぶ)町)に入院していた患者から、ほとんどの抗菌剤が効かない新たな耐性菌(スーパー耐性菌)が国内で初めて検出されていたことが6日、分かった。インドやパキスタンから欧米などに広がっていた「NDM1」と呼ばれる遺伝子を持つ耐性菌で、世界保健機関(WHO)が先月、院内感染の予防と感染状況の監視を呼びかけていた。
厚生労働省は今後、国内での発生状況の監視を検討。国立感染症研究所は、同病院から菌株の提供を受け、詳しい検査を行う。
同病院によると、インドから帰国し、昨年4月に入院していた50代の日本人の男性患者に発熱などの症状が出た。調査の結果、昨年5月にほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性大腸菌が検出された。
NDM1がインドやパキスタンから欧米に拡大していることを国際研究チームが警告した今年8月、同病院は保存していた菌を培養して検査。男性から検出された菌がNDM1遺伝子を持つ新型耐性菌であることを確認した。
男性は回復し、昨年10月に退院。ほかの患者への感染はなかった。男性はインドの病院を受診していた。欧州メディアによると、NDM1を持つ新型耐性菌はインド・ニューデリーで見つかり、インドやパキスタンの医療機関を中心に広がったとみられる。
NDM1は抗菌剤を分解する遺伝子で、大腸菌などがこの遺伝子を獲得して耐性を持ち、多くの抗菌剤が効かなくなる。免疫力が低下している入院患者の場合、細菌が全身に広がり、敗血症で死亡する恐れもあるという。
帝京大病院(東京都板橋区)などで発生し、死者が出ている多剤耐性アシネトバクターや多剤耐性緑膿(りょくのう)菌は免疫が低下した入院患者の間で感染が拡大。しかし、大腸菌などは日常生活でも広く存在するため、市中の健康な人へ広がることが懸念されている。
(9月7日産経新聞)
■コラム
一昨年はパンデミック騒動で予防接種に突き進んだ日本ですが、今年はこのNDM1が世間の注目を浴びそうな勢いになっています。昨日6日にも厚労省が帝京大病院に立ち入り検査に入ったニュースもありました。感染源は特定されていませんが、暑さと重なり、外出への腰が重くなりそうです。
コラムニスト 黒木 拓生
医院をはじめとする50件以上の起業支援に携わる。起業のみならず再建のための活動 に取り組み、組織力を活かすための実践的な人事コンサルティングには定評がある。また地方自治体の経済活性化や医療過疎問題の解決に関する提案実績も有しており、京都府北部地域の商工会との連携事業にも積極的に参画。
医療コラム
医療コラム- 第28回 “新たな耐性菌” -
2010年9月7日 火曜日
カテゴリ:医療コラム
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